(ふすま)
襖は、木と和紙を素材にしてつくられた建具です。
平安時代、大きな空間を間仕切り、小部屋に分割する建具として生まれ
今まで、1000年以上使われ続けていることになります。
はじめは柱間にはめ込まれているだけでしたが、後に鴨居と敷居に溝がつけられ、
引き戸方式となります。
大きな開口部がとれるこの方式は、日本建築における重要な発明のひとつといえます。
襖には、美術品としての役割もあります。
水墨画、大和絵、濃絵(だみえ)など、部屋の格や用途に応じて、
さまざまな絵がそこに描かれてきました。
一般庶民の住宅にも普及するようになったのは江戸時代ですが、
そのときも、さまざまな文様の紙が襖を彩っていました。
襖は、機能面からみても、装飾面からみても、
日本のインテリアには欠かせない存在だったといえます。